Report.7「思い出のあの坂の上で…」
主人公のタカオくんは最近、童貞期にありがちな鬱状態に陥っていて、毎日な~んかつまらなくてしょうがない。部活の後輩の千堂さんから、かなり積極的にアプローチされてるものの、それに対してもなんとなく違和感を感じて、いつもそっけない態度をとってしまっています。
その日もな~んか一日調子が悪く、気分を変えようと下校時に、いつもは行かない、小さい頃よく遊んだ坂道を上って家に帰ることに。するとその坂道で、幼稚園の頃一緒だったユミちゃんと偶然すれ違います。久しぶりに会うユミちゃんはすっげーかわいくなってて、衝撃を受けたタカオくんは一気に浮かれ気分に……。それというのも、このタカオくんとユミちゃん、幼稚園の時には「ボクたち結婚するんだ」と約束していた程の仲だったのです。その日は声もかけずに通り過ぎてしまったものの、今度会ったら絶対に声をかけよう。そんでもってユミちゃんも俺のことを覚えてたりして、そこから恋が芽生えて……などと、童貞にも程があるぞというような都合のいい妄想に浸るタカオくんでした。
まあ、このテの「幼稚園の時に仲良かった女の子と……」みたいな妄想はモテない童貞が一度は通る道で、あまりにもモテなくて、それどころか肉親以外の女の子からは全く相手にされないという悲惨な現在の自分と、男女関係なく無邪気に遊んでいた幼稚園児時代を比べて「あの頃はよかった……」な~んて思ってな。そんで「あの頃仲良かった女の子がまだボクの事を覚えてて、しかもスキだったりしたら……」なんて妄想に逃げ込んだりするんですよ……。……我に返るとホントに死にたくなりますけどね。
そんな感じで、完全に童貞ドリームにとりつかれてしまったタカオくんは、次の日から毎日、わざわざ遠回りしてその坂道を通って帰るという、童貞丸出しの行動を実施。しかしまあ、世の中そんなにうまくいくはずもなく、ユミちゃんと出会うことはなかったのです。
そんなこんなでブルーな気持ちになってしまっているタカオくんに、ある日、千堂さんから「一緒に帰っていいですか」とのオファーが! ……うらやましいじゃないのよ、アンタ。しかし脳内がユミちゃんでいっぱいいっぱいになってるタカオくんは「これじゃ今日は坂の方へ行けないじゃないか」と乗り気ではありません。……とはいえ、せっかくの女子からの誘い、断ることも出来ずに結局一緒に帰ってしまう辺り、イイ童貞です。しかもそんなことが一週間も続くんですよ、お前、いくらドン童貞でも一週間も女子と一緒に帰ってたら何かあんだろー! と思うものの、ビックリすることにこのタカオくん、未だに「ユミちゃんに会いた~い」なんつ~ドリームを抱き続けてるのです。
……つ~ことで、いい加減決心をして、千堂さんとは途中で分かれて、坂道の方から帰ろうとするタカオくん。
「あ、悪いけどオレ、今日はこっちから帰ることにするよ」
「え? 何か用事でもあるんですか?」
「いや、ないけど。オレ、たまにこっちから帰ることにしてるから」
「私も坂の上を通って帰っていいですか」
……そりゃ~そういうハナシになるでしょうて。結局断れず、間抜けにも二人で坂道に行くタカオくん。「ウワ、こんなところもしユミちゃんに見られちゃったら俺のラブ・プラン台無しじゃね~かよ!」とあせりまくり「今日だけはユミちゃんと出くわしませんように……」と天に祈るタカオくん。……しかし奇跡的ナイスタイミングでそこへユミちゃんがやってきます……。オーマイゴッド! 「どうか彼女がオレに気づきませんように」とさらに天に祈るタカオくん。しかし……この人、よっぽど日頃の行いが悪いんでしょうね「あのもしかしてタカオ君?」……バッチリ気づかちゃいます。
せっかく再会できたユミちゃんに千堂さんのことを「かわいい人ね!!」と、完璧に彼女と勘違いされ、パニック状態に陥るタカオくん。
「ユ、ユミちゃんこそ彼氏いるの?」
この状況において、誤解を解こうとするには最悪の発言でしょ。……さらに悲惨なことにユミちゃんの返答は「いるわよ」とのこと。
「ユミちゃんの彼氏だから、け……結構カッコいいんだろうな」
お~~い、何言ってるんだよ……。完全にバカになっちゃってます、タカオくん。もうどうしようもないですね。
「ええ~~ッ、そんなことないよ。そういえばその人、タカオ君にちょっと似てるかな……」
ッカーーー! イイネ! さらに追い打ちをかけるように別れ際のユミちゃんの発言。
「私とタカオ君が幼稚園の時……約束したこと覚えてる?」
オオオオーーーーッ! ……これは色んな事妄想させますよね。この、童貞の貧困な妄想的期待にバッチリ答えてくれるユミちゃん、いい女じゃないですか。……でも、現実に彼氏がいるのにこんなこと言う女がいたら、ちょっとどうかと思いますけどね。……まあ脳内妄想ワールド的にはアリアリですよ! ……さて、こんな言葉をかけられた童貞・タカオくんは、悲しさ半分、嬉しさ半分って感じで、もうちょっと早く再会していたら、あんな事やこんな事も……と再び妄想ワールドに突入。一方、蚊帳の外の千堂さんは、今の短時間で様々な思惑が飛び交っていたことなど知るよしもなく「センパイ!! 私、かわいいって言われちゃいました」などと、どこまでもノー天気。そしてそれを見たタカオくんは……
「……まいいか!!」
とあっさり千堂さんに乗り換えることを決心してしまうんですね~~。……なんだそのライト感覚な決断は。コレ、漫画的にはホントどうしようもないオチなんですが、童貞論的観点からいうと非常に意味のある場面なんですよ。
基本的に女性の好みに関しては、童貞の抱く理想って、ヤリチンの抱く理想の100倍くらい高いんです。ヤリチン的にいい女っていうのは、100のパワーをつぎ込んでもヤレそうもない美人よりは、50のパワーでヤレるやや美人とか、パワー0でヤレるブスの方なんですね。これは、いかに少ないカロリー消費でたくさんの女とヤルかというヤリチン理論的には非常に正しい選択ですね。それに対して非モテの童貞は、パワーを100つぎこんでも200つぎこんでも、どっちにしろ美人ともブスともヤレないんですよ。ということで「簡単にヤレる」というボーナス点が全く影響することなく、純粋な目で女子を判定することができるんですね。
さて、今回のハナシでのタカオくん。途中までは童貞丸出しで、理想の美人であるところのユミちゃんに夢中になっているわけですが、最終的に「ユミちゃんには彼氏がいる=ヤレない」「千堂さんは自分から言い寄ってきてる=ヤレる」という世の中の真理に気づき、それほど好きじゃないけどヤレる女・千堂さんを選択します。この瞬間、タカオくんは精神的童貞から精神的ヤリチンへと華々しい脱皮をとげているのです。う~ん、これからのタカオくんの人生に幸アレ。
妄想度 ★★★★★★ 俺も昔の同級生の女の子から電話かかってきたりすると「実はオレのこと……」とか思っちゃいます。
エチー度 ★★ エロシーンは一切なし。強いて言えば、幼なじみの女の子との再会っていうシチュエーションにややエロを感じますが。
胸キュン ★★★ 「タカオ君にちょっと似てるかな……」発言はかなりクるものがありますね。
さて、これにてやっと一巻終了! 全巻制覇まではまだまだ遠いなぁ~……。
投稿者 北村ヂン :
2003年07月09日 17:06 | トラックバック
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