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僕の通ってた小学校では、いわゆる中学、高校での部活とはちょっと違った、授業の一巻としてのクラブ活動っていうのがあったんですよ。これって皆の学校でもあった? 群馬ローカルじゃないのかな。まあ一応、全国的にも行われていた、という前提の下書いていきます。
このクラブ活動、ウチの学校では金曜の5、6時間目を使って4、5、6年生合同で行われていて、基本的にはそれぞれが希望を出して好きなクラブに入れるんですが。そうは言っても、小学生なんか皆バカなんで、サッカー、漫画、料理とかのいかにも小学生のハートガッチリな面白クラブにばっか希望が集中しちゃうんですよ。一応授業なんで、一部の人気クラブに無尽蔵に希望者を入れちゃうわけにもいかないので、あらかじめ第三希望くらいまで希望を出しといて、希望者の多いクラブは抽選っていうシステムだったんですが、この抽選っていうのがなかなか曲者なんだ。完全に公正な抽選じゃなくて「卒業していってしまう6年生はなるべく希望のクラブに入れてあげよう」みたいな、いらん思いやりがちょろっと含まれたタイプのインチキ抽選だったんですよね。
そういう大人の世界のシステムを小学4年生の頃の北村少年は全然気付いてなかったもんで、な〜んにも考えず、第三希望の三つとも人気抜群のクラブを書いちゃってさ、その結果どうなったかっつ〜と、当然第一希望からは弾かれますわな。それでも三つも書いてあるんだから、少なくともそのウチのどっかには入れるもんだと思うでしょ。しかし見事に第二希望、第三希望も弾かれて、勝手に一番人気のなかったクラブに突っ込まれちゃったんですよ、泣きました。
その、不人気ナンバーワンクラブっていうのが「旅行クラブ」です……。旅行クラブって、なんか楽しそうじゃん! レジャーって感じで。と思った方もいるかも知れませんが、アマイ……。不人気なのには理由があるんですよ。この「旅行クラブ」実際にどんな活動をしてるのかっつーと、「るるぶ」とか、ガイドブックを読んで、自分が行ってみたいな〜、という場所を決めます、イヤー、旅行は計画練ってる時が楽しいんだよね。それから、そこまでのルート、運賃を時刻表で調べます。うんうん、旅行行くならそれくらいは調べとかないとね。最後に、その計画を表にして、紙にまとめておしまい…………え、旅行? ……旅行には行きません……。だって、そんな予算はないですもん……。……計画するだけ……。
まあ、小学校のクラブで出来る事なんて所詮その程度のもんなんでしょうが。でもさ〜、元気が溢れんばかりに有り余っているバカな小学生が毎週毎週るるぶと時刻表を見て、延々行けもしない旅行の計画をたてて、自分の脳内だけで旅行する、なんつー不健康な事をやってたら頭もクラッシュするっつーの。
さすがにあまりにツマラなかったんで、バカ男子数名で「どうせ行けないんだから、実際には出来ないようなすごい旅行計画をたてよう」ってことで「AB・ROAD」かなんかを大量に買ってきて「超リッチ・世界一周旅行」っていう旅行の計画をたてたんですよ。「成田まではタクシー<運賃:100万渡して『釣りはいらねぇ』と言って降りる>」みたいな。まあバカが考えそうな事ですわ。でも、バカなりに「アメリカまでは、遠いから、飛行機代は100まんえ〜ん」などと、緻密な計算を積み重ね、壮大なバカ旅行計画を完成させて、
「すげーよ、この計画! こんなスゴイ旅行、誰にも思いつかないよ」
と自信満々で顧問の先生に見せたのですが……怒りましたね〜、先生。まあ、そうりゃそうだ。旅行クラブの意義って「子供が時刻表を読めるようにしよう」とかそういう所にあるんだろうからね〜。でも、こっちはバカな小学生、そんな大人の思惑を察してやれる程人間出来てないわけですよ。これをきっかけとして、人気クラブから弾かれて無理矢理旅行クラブに入れられたヤツらの不満が一気に爆発!
「ど〜せちゃんと調べたって旅行に行けるわけじゃないじゃんかよ〜!」
「旅行の計画だけたててなにが面白いんだよ」
「そうだそうだ、先生の金で旅行につれてってくれよ〜」
「旅行つ〜れてけ、旅行つ〜れてけ!」
もう教室中シュプレヒコールの嵐。そしたらさ〜、その顧問の20代前半くらいの女の新任教師がさ〜、……泣きやがってよ……。……俺ぁ引いたね〜。大人、それも先生が泣いてるのなんて見た事なかったもん。もう皆全員ドン引き。ただ一人、バカばっかの小学生の中にありながら、突き抜けてバカだったキング・オヴ・BAKAのKくんだけが脳天気に、
「♪せ〜んせいが泣〜いた、せ〜んせいが泣〜いた、大人なのに泣〜いた〜♪」
とデリカシーの欠片もない歌を高らかに歌ってました。それを見ながら僕らは、とんでもないことをしてしまったのではないか、という罪悪感にかられ非常にブルーな気持ちになったもんです(遠い目)。
……考えてみたら、当時の先生、今の俺より年下の女の子だったんだよなぁ〜……。嗚呼、なんか心が痛いデス。
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